※本コーナーは第23回が最終回です。
読者の皆様には長い間ご愛読頂き有難うございました。
第23回
和菓子の「清寿軒」と手ぬぐいの「戸田屋商店」
伝統も古いままでは錆びついていく。新しい時代の新しい価値に応える柔軟な感性が老舗を進化させる。先人の知恵は新しい感覚と融合し、次の時代につながっていくのである。(2010年3月号)
第22回
提灯の「川瀬善兵衛商店」とほうじ茶屋の「森乃園」
お客さんだけでなく働く人も癒される店にしたいと、損得抜きに楽しい職場を心がける。だからこそ人々は老舗を志向し、老舗は自然と時代を超えていく。
(2010年2月号)
第21回
刃物の「うぶけや」と「人形町志乃多寿司総本店」
手仕事には機械に出せない味わいがあるが、事業継続には商品やサービスの質に加え、経済的量的基準を満たす経営感覚が必要。(2010年1月号)
第20回
京菓子の「玉英堂」とすき焼きの「人形町今半」
置かれた状況や立場に応じて経営者として判断し、対応する。優れた経営者が老舗を老舗にしている。
(2009年12月号)
第19回
「甘味処初音」と「傘のアイバ」
本業を守りながら、2本目の足もしっかり立っている。老舗のもう一つの顔は、バランス感覚の良さのあらわれ。(2009年11月号)
第18回
鳥料理の「玉ひで」と洋食の「小春軒」
並ばないと食べられない。注文してもすぐには食べられない。待たせる食事は、効率性・経済性重視のファーストフードとは対極にある。待つ間は、感受性や社交性を育む場でもある。(2009年10月号)
第17回
鰻割烹の「大江戸」と宿屋の「かずさや」
美味しさや居心地の良さ、心を満たす価値は、目に見えなくても確かに存在する。見えないものを形にするため、「継続すること」の大切さ、「努力すること」の意味を知る。(2009年9月号)
第16回
すき焼きの「伊勢重」とあひ鴨料理の「鳥安」
美味しさと同時に、食事を通してもてなしの場を提供する。気持ちよく食事ができるよう、万全の準備をし、相手の呼吸に合わせて柔軟に対応する。だてに老舗はやっていない。(2009年8月号)
第15回
刃物の「木屋」と折詰弁当の「弁松」
守り継いだものと新しいものとが融合し、共鳴し合いながら、老舗の歴史は積み重ねられていく。老舗は未完の作品として、永遠に進化し続けるのである。
(2009年7月号)
第14回
和菓子の「長門」と蕎麦の「やぶ久」
伝統という縦糸に、今を反映させた横糸。老舗が織りなす至福のひととき。味覚だけでなく、視覚にも喜びを与える工夫がふんだん。ものと一緒に幸せも作り出す、老舗は幸福のメーカーでもある。(2009年6月号)
第13回
花の「花籐」と天ぷらの「てん茂」
シンプルで洗練された仕事を守りつつ、ちょっとした遊び心も忘れない。期待を裏切らない安心感と飽きさせない工夫が心憎い。(2009年5月号)
第12回
江戸料理「嶋村」とトロ握り「吉野鮨本店」
長く続くには理由がある。店の舵取りに肝心なのは、初心を忘れず、努力と工夫を怠らないこと、小さな波に翻弄されず、方向性を見失わないことである。
(2009年4月号)
第11回
刷毛の「江戸屋」と割烹料理の「とよだ」
伝統技術に支えられた良い道具、美味しい料理。いつの時代にも柔軟に対応する最先端の技術やサービスは、既存の客を超えて評価されている。変化の激しい今日、本物の真価は際立つ。(2009年3月号)
第10回
漆器の「黒江屋」と紙の「榛原」
儲けや損得勘定を超えた、文化や芸術を守り、伝え、育てていくという高い理念(社会貢献意識)に老舗商人の心意気を見た。(2009年2月号)
第9回
果物の「千疋屋総本店」と海苔の「山本海苔店」
老舗と呼ばれることにあぐらをかかず、常識や伝統に縛られない様々な取り組みが、新しい顧客を開拓し、既存の客にも新鮮な驚きを与えている。(2009年1月号)
第8回
扇子と団扇の「伊場仙」と呉服の「谷屋」
古いものや伝統を今につなぎ、デザイン力で商品に命を吹き込む。それが価格競争に巻き込まれない価値を醸成する。客一人一人の満足が店とつながりを深め、息の長い商売に結びつく。(2008年12月号)
第7回
人形焼きの「板倉屋」と豆腐の「双葉商店」
独りよがりではなく、作ること・売ることを通じて、買う人・食べる人の笑顔を作り出す。働きがいは、周りの人の幸せや喜びとともにやってくる、お金には換えられない報酬なのである。(2008年11月号)
第6回
半ペン・蒲鉾の「神茂」と佃煮の「鮒佐」
こだわりは"今"の価値にあわなければ評価されない。新しい感覚を取り入れ、消費者を飽きさせない工夫が、経営姿勢の随所にあらわれている。(2008年10月号)
第5回
書画材料の「有便堂」と寿司の「蛇の市本店」
信頼され、任されてこそ、人は成長し、その過程で人間関係や商売の勘も磨いていく。一般的な企業とは違う独自の人事・教育制度があり、また顧客本位がお客様に愛される。(2008年9月号)
第4回
浴衣と江戸小紋の「竺仙」と紙屋の「小津産業」
既存のやり方や伝統を押しつけず、新しい時代には新しい価値やスタイルを形にし、提案し続ける老舗は、市場を作りながら育て今日までつながってきた。
(2008年8月号)
第3回
和菓子の「榮太樓總本鋪」と鰹節の「にんべん」
拡大成長しても創業時の理念や思いを忘れず、事業の原点に立ち返り経営危機を乗り越えてきた。
(2008年7月号)
第2回
乾物の「八木長本店」と骨董の「海老屋美術店」
「物の真価」を見極める職人の洗練された技と信用ある取引関係を築くことが商売の要である。(2008年6月号)
第1回
地図の「ぶよう堂」と楊枝の「さるや」
高度専門性と唯一性が、価値を認めてくれる質の良い客を引きつける。(2008年5月号)